繁忙期(1月~3月)の部屋探しについて、別の記事では『即断即決するための完全ガイド』をご紹介しましたが、今回はその続編として、もう少し現場寄りの“リアルな裏話”にフォーカスをして解説をしていきます。
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繁忙期には、「申込が多い」「空室が減る」といった分かりやすい動きがある一方で、“賃貸業界内あるある”がたくさんあります。
- その申込、実は「おさえている」だけかも?
- 1月はフリーレント物件を狙うチャンスがある
- 3月中旬には物件が「すっからかん」
- 繁忙期に“内見なし”で決められる人は強い
- 仲介会社のオンラインツールの活用は積極的に使うべき
このような“業界内あるある”を知っていることで、選べる物件の幅や希望物件が見つかる確率も高くなります。
この記事では、元仲介会社の営業マンとして何度も繁忙期を経験してきた私が、『繁忙期の賃貸物件を制する裏話』を7つご紹介していきます。

“繁忙期のリアル”をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
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【前提】繁忙期の部屋探しは“事前準備”が超重要
繁忙期の“裏話”や“業界内あるある”をご紹介する前に、一つだけ大切な前提があります。
それは、『繁忙期の部屋探しは、事前準備が最も重要』ということです。
『繁忙期の部屋探しは準備が9割!即断即決するための完全ガイド』という記事を別途公開していますが、繁忙期はこの“事前準備”次第で、出会える物件が大きく変わってきます。
この記事では、細かい手順については深堀りしませんが、
- 希望条件と優先順位を明確にする
- 物件検索サイトで気になる物件をピックアップ
- “内見なし”や“空家賃の許容範囲”を検討しておく
といった、実際に仲介会社へ行く前の事前準備が重要である点を、まずはおさえておきましょう。
繁忙期の賃貸裏話①|その申込、実は「おさえている」だけかも?
賃貸物件の多くは、すでに申込が入ってしまっている場合でも、審査通過前であれば“二番手”として申込を入れることができます。
そして、なんらかの理由でキャンセルや審査落ちが起こった場合、二番手の申込が自動的に繰り上がります。
繁忙期は通常の時期と比べて、申込キャンセルが頻繁に起きることから、二番手申込が繰り上がる可能性が高くなるのです。
前提として、本来賃貸物件に「仮申込」や「仮押さえ」といった概念はないのですが、自分の会社で決定してもらえるよう、物件を一時的に「おさえる」行為を行う仲介会社は存在します。
繁忙期は特に空室状況の変動が激しく、少し悩んでいる間に物件がなくなるほどのスピード感なので、とりあえず「おさえる」という方法を取る仲介会社も多いでしょう。
賃貸物件の『仮押さえ』には少し複雑な事情が絡んでいることもあり、詳しくご紹介している記事がありますので、ご興味がある方はぜひこちらもご覧ください。

繁忙期は「仮押さえ」というかたちをとる仲介会社が多いため、キャンセルも増えるよ
【実体験】意外にある「おさえている」けどキャンセルになるケースの例
では、「おさえている」物件がキャンセルになるのはどのようなケースなのか、私の実体験をもとにご紹介していきます。

自分の中ではこの物件に決めたいのですが、帰って家族の了承を取らないと・・
この時期なので明日まで待っていたらなくなってしまうかもしれません。
とりあえず仮押さえしておきましょう。明日最終的なお返事をお願いします!
~ 翌日 ~

すみません。妻の了承が取れなかったので探しなおします・・。
『家族の了承さえ取れればそのまま進められる』という確度の高さから申込をしたものの、結果キャンセルとなってしまうパターンです。

ここに決めたいです!ただ、家賃が少し会社の規定をオーバーしていて、契約できるか確認しないと・・
分かりました。
では、申込の手続きをしておいて週明けに確認が取れたら正式に進めていきましょう。
~ 週明け ~

家賃オーバーした物件は社宅としては認められないみたいです・・。
繁忙期は会社都合での部屋探しをする人も多くなりますが、『契約に進む前に会社へ最終確認が必要』といったケースもよく起こります。
ここでは具体的なパターン例を2つご紹介しましたが、単純に『一晩だけ考えたい』『どうしても比較したい物件がある』など、仲介会社の判断で、仮押さえに応じるケースもあるでしょう。
「おさえている」だけだった場合、二番手申込で逆転も
繁忙期は物件が埋まるスピードが非常に早いため、希望していた物件が直前でなくなってしまった、ということも十分起こりえます。
ただ、もしその物件が「おさえている」だけだった場合、二番手申込を入れておくことで、キャンセルに伴って繰り上げとなるかもしれません。
賃貸物件には“入居審査”がありますので、この入居審査がNGとなった場合にも、二番手申込は繰り上げとなります。
しかし、これらには駆け引きの要素がありますので、仲介会社の営業マンと十分相談したうえで、検討してみましょう。

それが希望度の高い物件だった場合は「希望度が高いから二番手申込を入れておけないか」と相談してみるといいよ。
繁忙期の賃貸裏話②|1月はフリーレント付き物件&新築がねらい目
1月~3月が繁忙期となる理由は、4月からの新生活に向けて引越しをする人が増えるためです。
中でも2月は最も部屋探しをする人が多くなります。
一方で、4月からの新生活に向けて部屋探しをしようと思った時、1月にはじめるのは少し早いと感じる方もいるでしょう。
実際、“空家賃1”が発生するリスクを考えて、部屋探しを2月頃から始める方が多いのですが、実は1月の部屋探しにも、以下のような空家賃を防げる“ねらい目の物件”があります。
- フリーレント(一定期間の家賃無料)付き物件
- 新築物件
それぞれについて、注意点なども含めて詳しく解説していきます。
繁忙期なのにフリーレントをつけるオーナーの心理とは?
1月とはいえ、繁忙期にフリーレントをつけるオーナーさんの心理は『繁忙期中に確実に入居者を確保をしておきたい』からです。
繁忙期は部屋を探す人も増えますが、同時に募集に出る物件も非常に多くなります。
オーナーさんとしては、万が一繁忙期中に空室が埋まらなかった時のリスクを考えて、フリーレントをつけて募集に出すのです。

この物件は1月中に決めてもらうと、3月末までフリーレント付きですよ
フリーレント付き物件の注意点
フリーレント付き物件には、以下のような注意点もあります。
- 短期解約違約金が付いている
- “家賃”無料=共益費は通常通り発生がある場合も
- あくまで契約開始日はフリーレントの開始日=更新日が早くなる
フリーレントがついている物件には、ほぼ確実に短期解約違約金の条件が付いています。
オーナーさんとしては、フリーレントをつけたのに万が一すぐに退去されてしまうと困るからです。
また、フリーレントには家賃+共益費が対象となる場合と、家賃のみが対象となる場合がありますので、募集条件をしっかり確認しましょう。
そして見落とされがちな注意点が、フリーレントがついている物件の契約開始日は、あくまでフリーレントの開始日であるという事です。
『1月に決定すれば3月末までフリーレント付き』という物件の例です。
- 契約開始日:2025年1月15日
- フリーレント期間:2025年1月15日~2025年3月31日
- 実入居日:2025年4月1日
- 契約期間:2025年1月15日~2027年1月14日の2年間(更新日は2027年1月14日)
このように、2年後の更新日はフリーレント開始日にあわせて設定されるため、実入居日を考えると早めに更新日がやってくることとなります。
注意点を理解したうえで、条件にあうフリーレント付き物件が見つかれば、本格的な繁忙期に入る前に、“空家賃”の負担も少なく、お部屋を決められることになるのでメリットが大きいですよ。
新築物件は1月頃からチェックがおすすめ
繁忙期の新築物件は、早いものだと1月頃から募集にではじめます。
引越しのピーク時期となる3月中旬~下旬に間に合うように建築を進めていく新築物件が多く、1月の時点ではまだ内見ができないものがほとんどです。
一方で大型マンションなどはモデルルームの内見を早めに始めることもありますので、新築物件を狙いたい方は1月頃からチェックをはじめましょう。
新築物件は完成まで内見ができず、『内見を待っていると希望のお部屋がなくなってしまう』リスクがつきものです。
一方、賃料発生日は当然完成後となるので、『早めに決めても空家賃の発生がない』というメリットもありますよ。
繁忙期の賃貸裏話③|3月中旬以降は物件が「すっからかん」で選択肢が激減!
4月からの新生活に向けて、3月に入ってから部屋探しを始めようと考える人も多いでしょう。
しかし繁忙期は3月に入ると空室物件がぐっと減り、中旬以降になると「すっからかん」状態になります。
私は、“転勤に伴う部屋探し”を担当する部署にいた経験がありますが、3月中旬に辞令がでたあと、4月までに入居できるお部屋を探すのにとても苦労した経験が何度もあります。
繁忙期後半から部屋探しをスタートすると、選択肢が激減してしまうことを知っておいてくださいね。
いい物件は2月中にほぼなくなる!
引越しを早めたり、空家賃の発生を許容したりして1月~2月に物件を決める人は多いです。
そして“3月中に入居可能かつ条件のいい物件”は、2月でなくなってしまうと考えましょう。
加えて3月から物件が減っていきますが、転勤や入学に伴う、急ぎの部屋探しの需要も増えてくるため、競争率はさらに高くなります。
“空家賃”の問題はありますが、繁忙期中の部屋探しは早ければ早いほど選べる物件は多くなるよ
“4月以降の入居を検討できるなら”3月以降はむしろねらい目
繁忙期は入学、入社、転勤などに伴う部屋探しの需要が増えるため、“4月までに入居が必須”というお客さまが多く、条件にあう物件が見つかっても、入居が間に合わない場合には、諦めざるを得ないという方もいます。
一方で、繁忙期で退去が最も増えるタイミングは3月中旬~3月下旬頃です。
このタイミングで退去した物件は、すぐに原状回復のクリーニングを行ったとしても、4月までの入居に間に合わないことが多いです。
さらにこの時期は退去が多く、クリーニング業者も手いっぱいで、通常よりも時間がかかるケースもあります。
つまり4月以降の引越しでも検討できるという方には、主に3月以降にでてくる“4月までの入居に間に合わない物件”がねらい目になるのです。
繁忙期の賃貸裏話④|仲介会社のオンラインツールは積極的に使用しよう
繁忙期の部屋探しは、とにかくスピード勝負です。
何日もかけて部屋探しをしているとチャンスを逃してしまうので、時短になるツールはなるべく使いましょう。
最近では、LINEやZOOMを使った打ち合わせや、オンライン内見を取り入れている仲介会社も多く、より気軽に部屋探しができるようになってきています。
LINEやZOOM打ち合わせのメリット
LINEやZOOMでの打ち合わせを取り入れることで、お客さま側にもメリットがあります。
店舗での打ち合わせとなると、多くの方は仕事が休みの日を選ぶことになるので、週末に予約が立て込みやすいです。
繁忙期にはなかなか直近の予約が取れず、来店が先の日程になってしまうことも多いです。
しかしLINEやZOOMでの打ち合わせとすることで、仕事の合間や仕事終わりにも仲介会社との打ち合わせを進めることができ、気になる物件があった際などにも、タイムラグなく仲介会社への問い合わせが可能となります。
オンライン内見も積極的に検討を
オンライン内見とは、仲介会社の営業マンが物件現地からZOOMなどを繋いで、お部屋の中を見せてくれるサービスです。
気になる物件が見つかった時にすぐ内見ができればいいのですが、都合がつかない時にはオンラインでの内見も積極的に検討してみましょう。
しっかり確認したい箇所がある場合には、担当営業マンと事前に共有しておくとスムーズです。

物件決定後には、重要事項説明をオンライン上でうけることができる“IT重説”というサービスもありますよ
繁忙期の賃貸裏話⑤|内見は現地待ち合わせをしよう
店舗へ行って物件紹介をしてもらったあとに内見へ向かう、というフローでお部屋探しをした経験がある方も多いと思いますが、繁忙期の内見は“現地での待ち合わせ”をするのがおすすめです。
半日~丸一日を使って物件紹介から内見までを行い、希望物件が見つかればいいのですが、そうでなかった場合はまた後日ということになり、チャンスを逃しやすく、体力的にも負担が大きくなります。
繁忙期にスムーズに物件を見つけるコツは、隙間時間で入念な打ち合わせや内見物件の選定を行った後、内見は現地で待ち合わせ、という流れをとることです。
隙間時間での入念な事前打ち合わせが大切
先ほどご紹介したLINEやZOOMのツールも活用しながら、空いた時間で物件の紹介をしてもらったり、気になる物件の空室状況を調べてもらうようにしましょう。
繁忙期は事前打ち合わせと内見物件の選定に重きをおいて、実際の内見は最終確認くらいにしておくのが、納得のいくお部屋をみつけるコツです。
繁忙期の空室状況は日々変動していきますので、隙間時間を使いながら物件を選定していきましょう。

気になる物件があった時には、最短のスケジュールで内見の予約を取ってね!オンライン内見も活用しよう
内見の現地待ち合わせにはメリットが多い
内見を現地待ち合わせにすることで、少し早めに行って周辺環境を見たり、駅まで歩いたりしておくことで、『あとはお部屋さえ問題なければ決められる』という状況が作れます。
物件自体は問題ないけど、周辺環境が気になるから調べてから判断する、ということで保留にされるお客さまもいますが、繁忙期はこの“保留”をすることが、物件を取られてしまう大きなリスクになるのです。
また、事前打ち合わせ→内見は現地待ち合わせとすることで、探す側にとって不要な提案や営業を避けることもできます。
繁忙期の賃貸裏話⑥|“内見なし”で決められる人は繁忙期に強い!
私は自分自身の部屋探しのほとんどを“内見なし”で決めていて、“内見なし”での物件決定を視野に入れることは、掘り出し物件に出会えるメリットがあることを、別の記事でもご紹介しています。
しかし繁忙期に関しては、内見できない物件を候補から外すと物件の選択肢が激減してしまいます。
お部屋を見ずに契約することに抵抗がある方は、以下の記事で“内見なし”での契約について、メリット・デメリットや注意点をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください。
繁忙期は“内見できない物件”が多い
“物件の内見ができない”ことには、主に以下のような理由があります。
- 退去予告はでているけど、まだ居住中
- 退去直後で、まだ内見ができる状態でない
- 新築物件で未完成
繁忙期は、これらの理由に当てはまる物件がたくさん募集に出てきます。
特に、繁忙期は退去する人も増えるため『退去予告はでているけど、まだ居住中で内見できない』といった物件は特に多くなります。
そして物件の条件がよかった場合は、内見できる前に確実に埋まってしまうと考えましょう。
“内見なし”での決定は最強のタイパ!
物件の選択肢を減らさないというメリットがある他にも、“内見なし”での決定は最強のタイパになります。
“内見なし”で物件を決めるということは、『仲介会社の都合に合わせる必要がなくなる』ということです。
繁忙期は仲介会社も大忙しで、来店予約や内見予約を取るだけでも一苦労でしょう。
またお部屋の中は見れずとも、内見予約が必要ない分、自分のペースで現地へ行って周辺環境の確認などができることになります。
退去前物件や新築物件は、賃料発生日が先になるので“空家賃”を防ぐメリットもあります。
繁忙期の賃貸裏話⑦|繁忙期の部屋探し=“半分は自分で探す”を意識して
繁忙期は、“自分でも物件を探している人”がスムーズに良い物件を見つけやすいです。
仲介会社にいって条件面を相談しながら物件紹介をしてもらう、という方法も悪くないのですが、繁忙期は“半分は自分で探す”が納得のいくお部屋を決めるコツです。
事前に物件を自分で探すことで、どのくらいの該当物件があるのか把握できたり、仲介会社の営業マンとの好みの共有がよりスムーズになるメリットがあるので、ぜひ実践してみてくださいね。
自分で検索→担当者へ共有→決定が最強の流れ
繁忙期こそ実践すべき、“最もスムーズで無駄のない流れ”をご紹介します。
- 希望条件や優先順位を明確にしたうえで、物件検索サイトで物件を検索
- 希望物件をピックアップする(2~3件程度だと◎)
- ピックアップした物件を仲介営業マンに共有して空室確認&類似物件の紹介を依頼
- 必要に応じて内見をしたのちに決定
この流れを実践するために重要なことは、希望条件や優先順位をしっかり明確にすることです。
希望条件や優先順位が曖昧なまま部屋探しをはじめると、あれこれ迷走しがちです。
希望条件や優先順位の決め方は、以下の記事で【手順書】を公開していますので、実践してみてくださいね。
“決める気があるお客さん”として対応の優先度が上がる
繁忙期の仲介会社はとても忙しくなりますが、“決める気があるお客さん”の対応は優先されます。
なぜなら、すぐに対応しないと他の仲介会社へ行ってしまうおそれがあるからです。
希望条件や入居時期など曖昧なお客さんと、すでに目星をつけている物件があるお客さんでは仲介会社の対応スピードに差がでますので、チャンスを逃さないためにも、“半分は自分で探す”をぜひ意識してみてください。
物件検索はこちらから
【まとめ】繁忙期は焦らず、でも迷わず。後悔しない部屋探しを
この記事では、繁忙期の賃貸物件を制する裏話を7つご紹介してきました。
繁忙期の部屋探しは、どうしてもスピード感に振り回されがちです。
だからこそ、『部屋探しの事前準備をしっかり行うこと』や『不動産会社側の事情を知ること』で、無駄に焦らされたり、あとから後悔するような判断をしてしまうことを避けられます。
「いい物件がありますように」ではなく、しっかり選び取るための情報を、みなさんには持っておいてほしいです。
今回の記事は、『繁忙期の部屋探しは準備が9割!即断即決するための完全ガイド』の続編です。
『繁忙期の部屋探しは準備が9割!即断即決するための完全ガイド』では、繁忙期の部屋探しを成功させるために重要な“事前準備”について、詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
皆さんの繁忙期のお部屋探しが良いものであるように願っています。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
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